等等日記

北京留学の日々、中国語学習など

普通進修生として2回目の中国政府奨学金を中国から申請した体験記

※2024年度から中国政府奨学金の申請方法に変更がありました。

今回の募集より、すべての申請者は、CSC電子申請登録時に受入れ内諾書(予録取通知書)または指導教官の招聘状などの受け入れの内諾を証明する資料を取得し、CSC電子申請システムでアップロードすることが必須となる。アップロードできないことが無いよう、CSC電子申請登録前に必ず準備すること。
希望する大学であっても、CSC電子申請登録時に、その大学の受入れ内諾を証明する資料を提出できない場合は、その大学には中国政府奨学金留学生として受け入れられないので注意すること。

私の申請時はこのような注意書きがありませんでした。以上を念頭にこの記事は読んでいただけると幸いです。(2023年12月6日追記)

 

2022年度に日中友好協会が窓口となる中国政府奨学金生となり、中国語を学びに行く形で清華大学の語学コースに通う奨学金をいただきました。

↓その際の申請についてまとめた記事はこちらから↓

buyaoc.hatenablog.jp

2023年度はJASSOが窓口の中国政府奨学金生となり、9月から北京大学で専門の学問を修める普通進修生になります。

ryugaku.jasso.go.jp

2023年度に関しては中国にいながら中国政府奨学金を申請し、かつ2回目の取得となりました。特例の連続であんまり真似して欲しい仕上がりではないですが、不可抗力なこともあり毎段階不安に思いながら進めたのでここに残しておこうと思います。

 

イントロ

2022年9月末に幸運なことに渡航できたものの対面授業の機会も少なく(11月には北京にいるのに寮の部屋でオンライン授業を受けることになった)、渡航して半年くらいは発音する機会がこれまでなかった中国語にかなり不安がありました。食堂で何か注文するにもモタモタしていて、こんな感じで留学したと言っていいのか?と悲しい毎日でした。そして語学コースで留学していたとはいえ、少しでも挑戦したかった元々の専門の勉強は大学のカリキュラム上選択できず…このような条件下だったのでもう少し長く中国にいたいと思うようになりました。

そんな筆者が2度目の中国政府奨学金にチャレンジした2022年12月はゼロコロナ政策が継続中で、キャンパスからは出れずデリバリーサービスが禁止になり郵便も止まると噂されるなど、ほぼロックダウンのような状況。この時は日本のロックダウンとか可愛かったよねって思うくらい息苦しかった。ちなみに2023年度の中国政府奨学金は恒例より応募開始が1ヶ月早かったので、その点においてもイレギュラーな年でした。

もしこのままこの政策が続くなら、2023年7月に潔く日本に帰ろう。でも状況が変わるようだったら引き続き奨学金を取って中国で勉強したい。

ということでかなり省エネにチャレンジした、中国にいながらの2度目の中国政府奨学金取得について、要点ごとに申請者が気になりそうなことを残しておこうという記事です。

 

2回も普通進修生として中国政府奨学金で採用されるの?

結論から言うと、採用されます。

筆者は今回JASSO(文科省)という窓口を経由し、中国政府奨学金を獲得しました。1回目は日中友好協会が窓口になる中国政府奨学金(※こちらは2回取れない)。ややこしいですがお金の出所は一緒で窓口が違うと言う理解をしてもらったら良いと思います。

1回目は語学を学ぶ学生として、今回は大学時代の専攻にまつわる学科の学生として奨学金をいただくことになりました。ちなみに2度とも普通進修生という同じ区分で1年の奨学金です。

多分順番は逆でも大丈夫ですが、中国語を学んでから専門を…という形の方が受け入れられやすいと思います。

 

中国からの奨学金申請

この時期郵便でさえ配達が不安定だったこともあり(国外からの荷物は何重にも"消毒"されてました)、大体1ヶ月で日本から資料を取り寄せ、中国から書類送付することは無理だと判断。幸い自筆が必要な書類がなかったので、コンビニにネットプリント登録する等して、両親に協力してもらい書類送付してもらいました。

普通進修生なので学歴に当時通っていた大学名を記載はしませんでした。現在の所属欄に大学名とどの期間普通進修生としてそこに所属するかを書きました。

遠隔で依頼し手間をかけることにはなりますが、一度経験したこともあり比較的スムーズに申請書類を作成できました。

また面接はオンラインで開催だったため、難なく参加しました。社会人を経ての留学だったので専攻の本はどんな物を読んでるかなど問われ、面白かった中国語論文と日本語文献について話した記憶があります。

 

受け入れ内諾書は必要?

2023年度から「今回の募集より、修士、博士、普通進修生、高級進修生は、原則として、本奨学金の出願前に留学希望大学の入学試験を受け、受入れ内諾書(予録取通知書)または指導教官の招聘状などの証明資料を取得し、CSC電子申請システムでアップロードすることが必須となる。」という文章が募集要項に記されています。気づいた人はこの一文に揺れていた記憶があります。

まず私はこれって知ってますか?と一応所属していた清華大学の留学生受け入れ担当の先生に相談。「取得すべき単位もない進修生にそんなことしないけど??」とのことだったので、時間もないしもう一旦受け入れ内諾書がないまま申請しました。

面接でそこについて伺われたため、素直に第2志望の大学に確認をとっている旨を伝えました(でも結局「内諾書とったら選考上オトク」みたいな返信だったので何もしませんでした…)。

結局何のアクションもしていない第1志望の北京大学に内定したので、日本の文科省と中国の教育部はこの辺りの連携はないようです。

一昨年中国政府奨学金を検討する中では例が少ないためそもそも専門を学ぶ普通進修生の採用は大学からの内定がないと難しいと言われていました。内諾書なしでの普通進修生としての合格は極めてラッキーな例かもしれません。

 

余談ですが2022年9月から通っていた清華大学の語学コースは、2023年度は早期に席が埋まっており、北京大学共々語学で留学するのが厳しい状況だと噂になっていたので、この辺りかなり運に左右されると思います。

中国の国境が開放されて留学生が増えることも想定されるため、以後は内諾書を手に入れておく方が安心かと思います。

 

中国で健康診断してCSCに結果提出

面接合格を経て、中国政府奨学金のサイト(以後CSC電子申請システム)に外国人体格検査表=健康診断結果をアップロードすることになりました。中国国内の国公立病院で健康診断をすることになったのですが、いかんせん前例が少なすぎる。甲乙とかよくわからないランクや、英文で結果を書けるのか?などかなり問い合わせました(高度な内容すぎて寮のおじさんに電話してもらいました…)し、一度大学の病院に予約してまで行ったのですが無理と言われたこともありました。

最終的に住んでいる学生寮のグループチャットで聞いてみると、留学生が集う場だけあってこれを経験した先輩がいました。居留許可を取得するために一度行って健康診断した施設で書類を作成してくれるとの吉報でした。

↓北京の場合はこちらから予約しました↓

海关总署(北京)国际旅行卫生保健中心

 

JASSOのホームページには健康診断について「医者の意見 Suggestion の欄に「留学に支障がない」という結論が明記」「未記入の欄がないように」とこのような厳格な要求があります。

実際医師や、健康診断終了後に私が印刷した外国人体格検査表を受け取る受付の人に付箋を渡してこのような要求があることを伝え、作成に注意するよう依頼をしました。が、届いた外国人体格検査票は要求が全く守られてませんでした。

健康診断をした医師に問い合わせると自分で書き足せなんて言う衝撃のアドバイスをしてきたのですが、偽装するよりマシだろうと不備と空欄だらけの健康診断結果を提出しました。

結果としては何も注意されずその資料で合格となりました…。良いのか?ですし、同じような状況の人は責任は取りませんがこのような例もあると知っていただけると安心かと思います。日本の機関の書類の管理って本当に厳格ですね。

 

大学からの初通知(2023/3/23)

北京大学から3月中旬にCSCで申請してくれてありがとうという旨のメールが届きました。内容は「HSK6級をまだ取ってないみたいだけど、あなたの希望する専門には必要な資格。よって足りないので英語でのコースを取りますか?もしくは1年中国語をやってから中国語で授業を受けるコースにしますか?」とのこと。これは私がちゃんと調べろと言う話ですね。

しかし結局2-3日でどうするか決めて!と急かされ、HSK6級レベルの自信があるなら中国語で専門分野を学ぶコースを選択してOKということでした…うーん本当に良いの?Part2

 

大学のシステムへ登録&2通の推薦書提出(2023/5/7)

以上のようなやりとりをして、もうこれで終わりなのかな…と思っていたら、約2ヶ月後大学から1週間以内に今一度入学を大学のシステムで申請してくれとの連絡が。しかも奨学金申請時点では用意していなかった推薦書2通も提出することに!

北京大学は通常どんなタイプの学生でも推薦書を用意するよう求められるのは知っていましたが、前回そんなことを言われてなかったので大慌てで1週間で準備しました。

大学の教授と会社の上司が快く引き受けてくださり、同級生にイギリスからの子がいて、英文での書類作成を助けてくれたのでこれは中国でやることになって結局本当によかったです。基本1ヶ月は準備期間を設けて用意するものですので、北京大学から連絡が来た人は早めの準備をお勧めします。

 

最終合格発表(2023/7/3)

JASSOのサイトに受験番号が公示されました。合格通知が郵便で届き、長くやりとりしてきましたがこれにてやっと受け入れ大学が確定しました。

 

录取通知书の受け取り(2023/8/2)

郵便書留にて录取通知书(合格通知書)とJW201表を受け取りました。

去年と同じビザの代行会社さんを経由し、8月末にはビザを取得できるよう動きました。2回目なのでビザセンターに行く理由である指紋の採取が不要となり、足を運ぶことなく申請が終わりました。

 

振り返るとかなりゴリ押しで進めた部分が多いですが、なんとか9月初旬に渡航できることになりました。ちなみにJASSOから8月中の渡航は勧められていませんが8月初旬に台湾旅行しています…ビザ申請にだけパスポートが必要というのを覚えていただけると幸いです。

真似はしてほしくないですが、こんなちゃらんぽらんな感じで申請を進められたと言う例があると安心する人もいると思います。2024年度以降の奨学金に挑戦する皆さん、しっかり準備して加油!!